ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ビックリ、紫式部が書いた源氏物語はこの世に存在しない。

NHKの大河ドラマ「光る君へ」は、世界最古の女性文学と呼ばれる『源氏物語』を生んだ紫式部の生涯を描いたドラマだが、紫式部が書いたとされる源氏物語は原本が失われており、今読まれている「源氏物語」は平安時代から繰り返し行われてきた「写本」だというのをご存知だろうか。現存する最古の写本は紫式部の死後200年以上も後の1225年藤原定家による写本「自筆本源氏物語」だ。千年以上前の平安時代、木版による印刷技術は存在していたが、それによって印刷されたのは仏典漢籍に限られており源氏物語のような文学作品は長く「印刷」される事は無かった。そのために、源氏物語は平安時代中期から江戸時代初期までは写本で読むことが当たり前だった。しかし、文学作品は写本によって後世に残す形式だったため、写しのたびにミスなどで原本の文章が変わった可能性が大いにあるのだ。現存する最古の「源氏物語写本」の作者藤原定家は、「家中の小女等に書写させた「源氏物語五十四帖」が出来上がり、昨日表紙付けを終え、今日その外題を書いて完成した。建久(1190年〜1199年)の頃に『源氏物語』(藤原家に代々伝わっていた写本)を盗まれて以来、長年証本作りを怠けてこの物がなかったが、漸く出来上がった、とはいうものの、なお狼藉不審の箇所は多々あり、必ずしも満足のいく出来でない」と日記『明月記』に書き残している。紫式部が書いた原本を、時代と共に写本に次ぐ写本を繰り返しながら今日にまで伝えられてきた「源氏物語」、どこまで本物と言えるのだろうか(笑)