ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

11年前、人気の出始めた江口のりこに、柄本明が「劇団やめて」。

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映画やドラマに欠かせない名脇役としてすっかりお馴染みの女優江口のりこ。柄本明が主催する劇団「東京乾電池」のいまや看板女優となった彼女だが、今から11年前、女優として人気が出始めた頃の話、劇団には2か月に1回、メンバーが集まってちょっとした話をする総会という集まりがあったが、江口は「何の意味があんねんって、私はずっと思てたんですよ、ほんまに。1年に1ぺんでええやんて、ずっと思ってて」。総会を欠席する場合は係に連絡する決まりだったのに、仕事が忙しくなってきた江口は「言わんでも分かってくれるやろう」と総会を、何も言わずに休むことを続けていたという。するとある日、柄本から電話があり、最近何をやってるのか聞かれた江口が「のんびりしてますね」と答えると、「だったら何で総会来ねえんだよ!」と怒られ、柄本は江口に「おまえみたいなやつは、オレ一番キライだから。もう劇団やめて」とピシャリ言い放ち、電話を切られてしまったという。その後、3日間柄本に電話をかけ続けても出なかったので、江口は劇団の稽古場まで出向き、稽古場の前で柄本を待って待機。雨の中、傘を差して涙を浮かべながら待っていると柄本が現れ、そんな江口を見た瞬間に「もういいよ」と許してくれたという。座長柄本明の怒りは、「奢れるものは名女優にはなれない」という江口のりこへの「厳しい愛のムチ」だったに相違ない。