国有地を激安購入したことに端を発した大阪の「森友学園」問題。安倍首相や婦人まで巻き込んだ騒動はいよいよフィナーレが近づきつつある。大阪府が右翼思想の小学校開設を認めない方針を打ち出してしまったからだ。この騒動の主人公である森友学園理事長がこの事態を受けてYouTubeで怒りの反論を行った。「マスコミは日本のために一生懸命旗を振っているこの学園を潰そうとしている」「この学園は日本民族にとって必要なんです」とマスコミによって裸にされた王様は「開校中止」の結末予測に憤懣やるかたない様子で語っているその映像は何とも滑稽な限りである。「大阪府が仮認可したから校舎の建築をしたのに中止となれば大阪府には賠償責任が生じてくる」という脅し文句も負け犬の遠吠えにしか聞こえてこない。彼の何がいけなかったのだろうか。それは今の時代の「空気」を彼が読めなかったから,のひとことに尽きる。スマホ全盛の時代の子供たちに「愛国主義」を教えようと言うそのセンス。世の中がグローバルに向っている時代に彼は「愛国主義」という内向きな右翼思想を掲げて子供たちを教育しようとしたそのアナクロニズム(時代錯誤)は、滑稽の一語に尽きるだろう。国粋主義、大物政治家への接近など時代遅れの彼の古臭い「衣装」は、マスコミの前で「裸の王様」状態にまでほころびてしまったのだ。半世紀も前の時代なら彼が唱える右翼思想も政治家への接近も上手く事が運んだかもしれない。しかし21世紀のニッポンで「愛国主義」という嘘っぽい教育方針は、誰からも賛同を得られずに哀れな結末を迎えてしまったのである。いささか気の毒な感じもするが時代遅れの右翼思想の成れの果てには「ざまあみろ」と言いたい。