1985年に公開されて、世界中で大ヒットとなった映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(⬆上左)。‟未来に戻る”という洒落たタイトルも大ヒットの要因の一つだが、このタイトルが、あやうく『Space Man From Pluto:冥王星から来た宇宙人』(⬆上右)になりかけていたことが、当時ユニバーサルスタジオのチーフ・エグゼクティブだったシド・シャインバーグとこの映画の制作総指揮を務めたスピルバーグ監督の間でやり取りされたメモが発見され、わかったのだ。シャインバーグのメモには「脚本の草稿は最高だが、タイトルがイマイチだから変更するべきだ」とあり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の替わりに『Space Man From Pluto:冥王星から来た宇宙人』というタイトルはどうだろうか」と提案してきた。監督のロバート・ゼメキスはタイトル変更に猛反対を訴え、それを受けて製作総指揮のスピルバーグがシャンバーグに次のような内容のメモを送り返した。「ハイ、シド、君の最高にユーモラスなメモをありがとう、制作スタッフはみんな大笑いしたよ、これからもよろしくね」。シャインバーグはそれっきりタイトル変更を強要しなくなったというが、映画が公開された後「あのタイトルだったら、もっとヒットしたはずだ」と周囲に呟いていたという。スピルバーグのおかげで、あやうくタイトル変更という難を逃れた映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、世界中で興行収入400.1億円、観客動員数2640.6万人という大ヒットを記録した。