ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

名曲As time goes by「時の過ぎゆくままに」は誤訳。

1942年に公開されたリック(ハンフリー・ボガート)とイルザ(イングリッド・バーグマン)主演のアメリカ映画Casablanca(カサブランカ)⬆。この映画のストウリーの中で、重要な役割を果たした歌が「As time goes by」だ。リックの経営するナイトクラブ『カサブランカ』に偶然やって来たかつての恋人イルザ、昔馴染みのジャズピアニストのサム(ルイ・アームストロング)の姿を見つけ想い出のこの曲を彼女がリクエストする。しかし、リックは彼女のことを思い出さないよう、この曲の演奏を禁じていて、それを破ったサムを叱責するために店内に現れてイルザと再会するシーンだ。その歌詞の一部を訳してみると、You must remember this(心に覚えておくべきだ)A kiss is still a kiss(キスはいつもキスだし) A sigh is just a sigh(溜め息はやはり溜め息)The fundamental things apply(人の本質は変わらない)As time goes by(時が過ぎゆくとも、となる。歌詞の流れからするとAs time goes byを日本語のタイトルに従い(時の過ぎ行くままに)と訳してしまうと、この歌に違和感が生じてしまうのは、一目瞭然だろう。しかも、「人の本質は変わらない、時の過ぎゆくままに」と繋げると意味までも違ってしまう、日本語訳タイトルは見た目には美しい字面だが、名訳と言うより明らかな誤訳だろう(笑)