アナウンスやスピーチといった場面での英語の呼びかけとして、これまで定番とされてきたフレーズ「レディス&ジェントルマン」が、いまや世界的に「死語」になりつつあるって知ってましたか。例えば、国際的な航空会社の機内アナウンスの呼びかけだ。昨年10月に機内アナウンスや乗務員あいさつでの使用をやめたのがカナダ航空。ジェンダー(性差)についての言及をやめて、英語やフランス語で「皆さま」という意味の“everybody”や“tout le monde”といった単語を、代わりに使うように変更したという。イギリスの航空会社easyJetも、昨年末に使用をやめ、代わりに“welcome everyone”(皆さまようこそ)といったフレーズに変えたという。こうした動きは航空会社だけではない。アメリカ・ニューヨークの地下鉄やバスでも、2017年にこの伝統的な呼びかけをすでにやめている。代わりに用いられたのは、“passengers”や“riders”(乗客の方々)、“everyone”(皆さま)といった呼びかけだ。ロンドン交通局は、地下鉄などで働く職員は、「レディス&ジェントルマン」の代わりに“hello everyone”(皆さまこんにちは)といったあいさつをするよう指導されているという。遅まきながら、日本航空(JAL)も、空港や機内で使われるアナウンスの「Ladies and Gentlemen」の文言を10月から廃止すると発表した。ジェンダー(性差)を意識させるワードはどんどん「死語」になりつつある現代社会、男女平等は歓迎すべき社会現象といえるだろう。