
「あれ、昨日の晩ご飯は何だったっけ?」と考え込む――誰しも歳をとればこんな「モノ忘れ」体験が増えるものだ。こうした「モノ忘れ」の原因が、脳そのものにあるだけでなく、腸の中に無数に存在する「腸内細菌」の働きによって引き起こされることをスタンフォード大学の研究チームがマウスの実験によってこの程突き止めた。研究チームは、先ず、 高齢マウスから採取した腸内細菌を若いマウスに移植、つまり、「体は若いのに、腸内細菌だけは老けている状態」を作り出して、記憶力のテストを行った。すると驚いたことに、腸内細菌が高齢マウスと同じ状態になった若いマウスは、見慣れた物と新しい物を見分けるテストや、迷路の位置を覚えるテストの成績が明らかに落ちたという。この結果は、年齢とともに変化する腸内細菌が、マウスでは記憶力低下の原因の一つになっていることが証明されたことになる。研究チームはさらに、どの腸内細菌が記憶力低下を起こしているのか、その「真犯人」を突き止める作業を行い、浮かび上がったのが「パラバクテロイデス・ゴールドスタイニー(P. goldsteinii)」という細菌だった。この菌だけを若いマウスに与えてみた所、明らかに記憶力が落ちることを確認できたという。こうした結果をふまえて研究チームは、「モノ忘れ」の原因について、脳の中だけを見ていてもダメで、「腸内細菌」によって脳へ届けられる「記憶低下」の情報にも目を向けるべき」と警告している。あなたの「腸内細菌」は、老化してませんか。