
野村総合研究所が、マスメディアが報じている「中国によるレアアースの対日輸出規制」が3か月間続けば、我が国の「経済的損失」は計6600億円程度になると試算した。しかし、東京財団主席研究員の柯隆氏は「中国がレアアースを禁輸しても「焦らずに、ゆっくりと中国側の出方を見極めていくべきだ」と主張する。その理由は、中国が2018年からレアアースの輸入量が輸出量を上回る「レアアース輸入国」になっているからだという(⬆️上図参照)。日本へのレアアースの輸出規制をすれば、中国メーカーのスマートフォンやパソコンなどの電子機器や電気自動車(EV)の重要なパーツの日本での生産が滞り、それらのパーツを使って完成品を製造・輸出している中国国内のメーカーにも悪影響が及ぶことになる。さらに、中国の「輸出規制」によってレアアース価格が世界的に上昇してしまい、海外から中国へのレアアース輸出価格も高騰し、他国でのレアアースの採掘、あるいは、省資源技術・代替材料の開発を促すことにもなってしまう。こうした事情から、レアアースの輸出規制は中国としては、マイナス面が大き過ぎるため、長期化する可能性が低いと見込まれている。日本のマスメディアは国民の不安を煽るのではなく、中国による「日本へのレアアース輸出規制」は、一時的なもので心配無用と報道すべきではないのか。