
世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(32)が、サウジアラビアで行われた同級4団体統一タイトルマッチ12回戦で、WBC世界同級2位アラン・ピカソ(25)に9月のアフマダリエフ戦から2戦連続となる「判定」での勝利をした。試合後、井上選手自身が「今夜は良くなかった。倒しきりたかったけれど、期待に応えられず、自分自身がやりたかったボクシングができなかった」と述べたように、かつて当たり前のようにKO勝利していたモンスター井上選手は、どこかへ行ってしまったようだった。コンピュータのプログラムでスコアを計算する「コンピュボックス」のデータを見ても、井上選手は立ち上がりから試合を完全に支配しパンチの総ヒット数でピカソを158発も上回っていた。ジャブは161対63、パワーパンチは167対107と60発の差をつけ、ボディブローでも96対66と30発多く当てた。井上は12ラウンドを通じて1ラウンド平均27発をヒットさせたのに対し、ピカソは1ラウンド平均14発と、その半分にとどまった。ジャブ、パワーパンチ、ボディブロー合計で424発のパンチをヒットさせたのに、ピカソ選手をグラつかせたりKOすることが出来なかった井上選手。負けたピカソ選手は井上選手のパンチについて「正直、もっとパワーがあると思った。敗者で去ることにはなるが、(KOされなかった)僕自身は勝者だと感じている」と語った。井上尚弥32歳、かつて当たり前のようにKO勝利するため付いた「モンスター」の愛称を、どうやら返上したように思われる。