
WBC世界バンタム級王座決定戦で、同級1位の那須川天心が、同級2位の井上拓真に判定決着(0-3)で敗戦。キックボクシング時代から53勝無敗だった男が人生で初めて敗れた。前評判では、「負けを知らない男」那須川天心が有利と見られ、この日のネット中継でも殆どの解説者が試合前に天心有利を口にしていた。ところが、ゴングが鳴ると先手々で攻める井上拓真の積極姿勢が目立ち、劣勢をハネ返そうと放った天心のストレートやフックのパンチはことごとくブロックされ、圧力を掛け続けて攻める姿勢を崩さなかった井上拓真に天心は、3−0と一方的な判定で敗北した。天心の「敗因」は、一言で言うと「パンチ力の無さ」だった。それで思い出すのは5ヶ月前の世界ランカーのビクター・サンティリャンに判定勝ちしたあとの記者会見で、天心選手自身が「自分はパンチ力があるとは思えない。パンチ力はない」と告白したことだ⬆️。キックボクシングで42勝無敗で「神童」と呼ばれた天心だったが、キック時代の天心は明らかに“蹴り系の選手”で、KOもパンチでは無く、蹴りやヒザによる勝利が多く、パンチで勝つ選手”ではなかった。42勝した中でKO勝利28勝、この内パンチによるKO勝利は半分以下の12勝だ。パンチ力が物を言うボクシングの世界で「自分はパンチ力が無い」と公言する選手が、世界チャンピオンを手にすることは土台無理な話だったと言えるだろう。