
NHK朝ドラ「ばけばけ」のモデルである小泉八雲・セツ夫妻⬆️。妻セツが、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の女中だったのは史実にある通りだ。1890年 島根県の師範学校に赴任し、自分の身の回りを世話してくれる女中を雇う際に、教養を求め士族の娘を望んでいたハーンは最初に出会ったセツを「気に入らなかった」という。この話は、大正時代に83歳で存命中だったハーンの最初の寄宿先「富田旅館」の女将ツネが以下のように証言している。彼女が、セツを紹介した翌日に様子を見にゆくと、ハーンは不機嫌な顔で、セツを連れて帰るように言ってきたという。女将ツネに向かって小泉セツを「士族ナイ」「ホテルノ下女ト同ジ」「私ダマス」などとカタコトの日本語で酷くののしり、早く連れて帰るように要求したという。なぜなら、ハーンは、士族の娘は華奢で手足が細いという強い「固定観念」に囚われていて、手足が太く、指や掌も荒れて硬くなっている小泉セツを見て「士族」の出ではないと早とちりしたからだ。セツは少女時代から家族を養うために過酷な機を折る仕事に従事してきたため手足が太くなったことを後で聞かされたハーンは、そこに日本人が美徳とする「孝」を感じ、セツが礼儀作法をしっかり身につけていて、所作に気品が感じられ、また生花や茶道、文学などに関するひと通りの知識もある。そんな女性が百姓娘のはずがないと、ハーンが自分の早とちりに気がつき、二人はすぐに惹かれあい結婚に至ったという。