
クマによる人身被害が止まらない。10月末時点で今年度の死亡した犠牲者は12人と、過去最多だった2023年度(死者6人)の2倍となっている。全国各地で目撃が相次いでいるクマ。実際にクマと遭遇した場合、どうすればいいのだろうか?クマの生態に詳しい福島大学の望月翔太准教授によれば、「走って逃げるよりも抵抗せずにその場にうつぶせになるのが一番」だという。クマが走って追いかけてくる速度はツキノワグマが時速40km程度、ヒグマが時速60km程度と人間の走る時速7〜8km程度ではすぐに追いつかれてしまうという。そのためクマに抵抗せずに致命傷になりうる頭を守りながら、「うつ伏せ」でうずくまる方法が安全なのだという。クマとの至近距離で「うつ伏せ」になったらクマは襲って来ないのか。望月教授によると、「多くのクマは、人間に対して「恐怖心」を抱いているので、抵抗されないと分かれば、そのまま立ち去る」というのだ。これまでにクマに襲われた怪我人の治療に数多くあたってきた秋田大学整形外科の石垣佑樹医師によると、秋田県内で2020年〜2023年の4年間、クマに襲われ医療機関を受診した人のカルテを収集し、解析したところ、クマによる人身事故は62件70人。このうち、「うつぶせ」による防御姿勢をとったのはわづか7人(10%)で、その7人の中に重傷者は1人もいなかった。「手で覆いきれなかった頭頂部を爪で引っかかれたり、腕をかまれたりした傷はありましたが、致命的となる首や顔面の受傷はなかった」と言い、頭を覆っていた指や手の切断もなく、「うつぶせ」は防御姿勢としてもっとも有効な方法だと証言している。