ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

筋肉は使わない、WS優勝を連投で決めた山本由伸の投球術。

ドジャースによるワールドシリーズ2連覇。その立役者となったのは、MVPに選出された日本人投手山本由伸だ。前日の第6戦に先発して96球を投じていた山本が、第7戦の決勝の舞台で4-4で迎えた9回ピンチの場面で緊急リリーフ、この回を無失点で切り抜けると延長の10回を三者凡退、スミスのHRでドジャースが1点を勝ち越した延長11回裏には、一死一、三塁とサヨナラ負けのピンチを招くも、強打者カークを遊ゴロでの併殺打に打ち取り、ドジャースをワールドシリーズ2連覇へと導いた。胴上げ投手となった山本。何よりも驚くべきはその投球内容だ。過酷な中0日でのマウンドにもかかわらず、データ解析システム「スタットキャスト」によれば、山本が2回2/3イニングで投じた「魂の34球」はスプリット、カット、4シーム、カーブ、シンカーの5球種全てで、これまでよりも球速がアップ。第7戦の4シームは平均96.9マイル(約155.9キロ)で平均を1.5マイル(約2.4キロ)上回る球速でブルージェイズ打線を翻弄した。前日に投げた96球から中0日の登板で山本はなぜ筋肉痛にならず「球威」も衰えなかったのか。その理由は、山本は他の投手のように「筋肉」を使って投げていないからだ。その証拠に、彼は日頃からウェイトトレーニング(筋肉強化)は一切行っていない。山本は、体重移動や連動性、胸郭や脊椎などの柔軟性から生まれる体全体の「しなり」から生れる爆発的なパワーで投げているのだ⬆️。筋トレで体を大きくしてパワーで勝負するピッチングではなく、自分の体の動きや柔軟性をより高めることでスピードや質を生み出している山本流ピッチング、世界一の投手になれたのはごく自然な「成り行き」だったのだ。