2年以上前に妻を亡くし、ひとり暮らしを続けている直木賞作家の阿刀田高さん90歳⬆️。ほどほど、無理せず、料理も洗濯も独身時代を思い出して楽しみながら続けている。ユーモアと「キョウヨウ」を忘れない、そんな阿刀田さんの日々の過ごし方が素晴らしい。どのような暮らしをしているのか、まず、毎朝、鏡をしっかり見ることも忘れない。「日中も3〜4回は鏡を見ます。髪に櫛を入れて、3〜4日ごとに髭を剃ります。汚い爺さんになるのは嫌ですからね。身だしなみレベルですが、着るものにも気を使っています。食事は「外食は足が悪くなったこともあってほとんどしません。今は食事の宅配もありますが自分で作ったほうがおいしいんです」料理は「終わるのが好き」だから自分で作るのだという。夜はおおむね11時には就寝するという規則正しい生活で1日を締めくくるが、高齢者には「キョウヨウ」が大切だと阿刀田さんは言う。「教養ではなく、今日、用があるかどうか。用があれば生活にリズムが生じ、張り合いのようなものが生まれます。そして、大概のことはあるがままを受け入れて、出来ないことは『仕方ない』と思う。その中で、何が自分にとって一番都合がいいかを考えながら、なんとかやっていくのが90歳の日常です。毎日は不自由であふれていても、ひとりで生きるという自由を享受しているのを、せめてもの喜び、慰めとして生きています」と90歳の老作家は語っている。