

1803年(享和3年)、常陸国(現・茨城県)の「はらやどり」という浜に奇妙な形をした「うつろ船」が流れ着き、その中から手に箱を携えた異国の美女が現れた、という話、1825年(文政8年)に、読本『南総里見八犬伝』の作者である滝沢馬琴が、全国で起きた奇妙な面白い話を12人の好事家らと共に編纂した冊子『兎園小説』の中に、その図が描かれている⬆️。この「うつろ船」というのは、現代のUFO、空飛ぶ円盤に大変よく似ており、また、船内に書かれていた文字として「奇妙な幾何学模様」もその挿し絵に描かれていて、これが宇宙人が書いた「宇宙文字」ではないかといわれているものだ⬆️。この「うつろ船」の挿絵が発表されてから123年後の1926年(大正15年)、かの有名な民俗学者である柳田国男は、雑誌・中央公論の中で、滝沢馬琴が紹介した「うつろ船」について触れ、文字もいい加減であり「この世にない文字」だから「駄ぼらだ」と一蹴している。「うつろ船」の挿し絵には、「最近、浦賀の沖に繋留したイギリス船にもこのような外国文字があった」というただし書きが付けられている。つまり、滝沢馬琴もこれらの文字を西洋人の書いた文字と似ていると解釈していたわけで、「宇宙文字」というのは、つまり、この絵を描いた絵師が、「外国の文字」に似せて書いた創作文字だったと思われる。