
フランス大統領暗殺未遂事件を書いた小説『ジャッカルの日』や「オデッサ・ファイル」「戦争の犬たち」など映画化された作品が多いイギリスの小説家フレデリック・フォーサイスが、昨日86歳で亡くなった⬆️。世界の紛争地の特派員として記者活動を行ったあと作家となったフォーサイスは、イギリス秘密情報部(MI6)の協力者としてスパイ活動を行い、1973年には東ドイツから機密書類を国外へ持ち出す任務などを行った。フォーサイスを語る上で欠かせないのは、小説家でありながら赤道ギニアのクーデターを企てたことだ。『ジャッカルの日』のヒットで得た巨額の印税を費やして、ナイジェリアでの内戦に敗れ祖国を失ったビアフラ人のために、傭兵部隊を雇い赤道ギニア共和国に対しクーデターによる政権転覆を1972年に企てたのだ。しかし、計画は船への武器積み込み予定地であるスペインで、事前に買収していたスペイン国防省の役人の裏切りにより、傭兵隊長がスペインで身柄を拘束され失敗した。この実話を下地にして執筆されたのが小説『戦争の犬たち』で、この物語ではクーデターは成功している。空想で小説を書くのではなく実際の体験を通してリアルな物語を書き上げる、こんな小説家は2度と出てこないだろう。ご冥福を祈りたい。