
日鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画にトランプ米大統領が反対姿勢を示していたが、5月23日、大統領自身の交流サイト(SNS)への投稿で、日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を承認する考えを示した。米国政府は安全保障上のリスクを懸念していたが、日鉄が提案した同社の社名維持や取締役の過半数を米国籍とする提案などを通じ「懸念は解消された」との認識を示したトランプ氏が買収への反対姿勢を一転させ、日本企業による米国の歴史ある大企業の買収計画が成立する見込みとなった。トランプ氏はSNSへの投稿の中で、日鉄とUSスチールの「計画的な提携(パートナーシップ)」が少なくとも7万人の雇用と140億ドル(約2兆円)の経済効果をもたらすと説明、買収計画を承認すれば、日鉄はUSスチール事業に140億ドルの投資をすることを検討していることも明らかにした。日鉄は、トランプ氏の投稿を受け「ご英断に心より敬意を表する。米国鉄鋼業、さらには米国製造業全体にとって画期的な転機となるものだ」とのコメントを発表した。一方のUSスチール社も「トランプ大統領は大胆な指導者で、アメリカや国内の労働者、それに製造業にとって最良の取り引きを実現する方法を知っている実業家だ。トランプ大統領のリーダーシップとアメリカの象徴的な企業や多くの鉄鋼労働者の将来への配慮に深く感謝する」とコメントした。思えば80年前、アメリカの圧倒的な鉄鋼生産力によって国土が灰塵と化した日本、そのアメリカの鉄鋼最大企業を日本の企業が子会社化する時代が来るなんて、誰が想像できただろうか。