ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

アンディ・ウォーホル「ブリロの箱」は、豚に真珠か?

鳥取県が2025年3月末にオープンする県立美術館の目玉として、アンディ・ウォーホルの現代アート作品を約3億円で購入したことに対し、県民から批判の声が挙がっている。その作品とは、「Brillo」と商品名が書かれた段ボール箱で、アメリカの食器洗い用の合成洗剤を含んだスチールウールたわしのパッケージ。このパッケージのデザインをウォーホルが、そのまま木箱にシルクスクリーンで精巧に印刷したのが《ブリロ・ボックス》という作品だ⇧。購入した箱5点のうち1点は1968年にウォーホル自身が制作した希少なもので6831万円。その他の4点は、ウォーホル了解のもと別の美術関係者によって1990年に制作されたもので、鳥取県は1つ5578万円で購入した。既存のありふれた商品に手を加えてアート作品に生まれ変わらせる、というウォーホルのPOPアート作品だが、この「ブリロ・ボックス」は1964年4月にニューヨークで初めて展示された際にもほとんどの人はこれを芸術とは認めようとしなかった。ところが、著名な美術評論家アーサー・ダントーが、「ブリロ・ボックス」は、「芸術の終焉」という哲学的な問いへと導くための重要な作品であり、ゆえに現代美術史上にとって重要な作品、と評価したことで一気に価値が挙がったとされる。高名な美術評論家が価値を認めた作品に、異を唱え拒絶反応を起こした鳥取県民には、「ブリロ・ボックス」は、豚に真珠=(価値を理解できない相手にその価値は永遠にわからない)、のだろうか。