
主人公・井之頭五郎(松重豊)が営業先で見つけた食事処にふらりと立ち寄り、空腹を満たす至福の時間を描いた大ヒットテレビドラマ「孤独のグルメ」。このドラマの原作マンガの作者・久住昌之氏(66)がYouTubeの番組に出演、ドラマの主人公・井之頭五郎に、当時ほとんど無名の俳優だった松重豊を起用した秘話について明かした。久住氏は「4人ぐらい候補に挙がっていたんですけど。漫画版に似ている人とかもいて」と切り出し、 「松重さんは、ロケ弁をうまそうに食うっていう。それだけで声をかけました。そしたら、原作漫画を読んで『やります』と言ってくれたみたいで」と明かした。このドラマの主人公・井之頭五郎を演じたことで一躍有名俳優になった松重豊は、当時39歳、最初に主演のオファーを受けた際は「単なるオッサンが食べてるだけで、別に何か物語があるわけでもないし、事件が起こるわけでもない。視聴者がつくかどうかもわからない。僕の中では俳優経歴の汚点になるだろう」と思ったという。ドラマが大ヒットした後も、「ただ食べているだけで面白いって言われるのはいまだに心外です。どこを面白いって言っていただけているのか、自分ではわかっていないんです」と語っている。ひとつハッキリしているのは、誰よりも美味しそうに食べる演技で、松重豊が「売れっ子俳優」になれた事実だろう。