
足を交互に滑らせ、前に歩いているように見せながら後ろに滑るダンスステップ「ムーンウォーク」は、POPオブKINGと称されたマイケル・ジャクソンによって世界中に知れ渡った。宇宙飛行士が月面を歩くように、ゆっくりとしたモーションの歩行によるこのステップ、実は20世紀後半から存在する古いステップなのだ。第2次世界対戦終戦後の1946年、フランス・パリで白塗りメイクとボーダー柄のシャツで無言劇「パントマイム」を演じたマルセル・マルソー⬆️、言葉をひと言も発せず、身ぶりと表情だけですべてを表現するマルソーのパントマイムは、国境を越え、世界中で熱狂的に愛された。この彼が、1976年彼が出演した映画「サイレントムービー」の中で、風に逆らうようなステップからヒントを得たという「ムーンウォーク」のようなバックスライドを演じてパリで大反響を呼んだ。M・ジャクソンは13、14歳のころ、よくマルソーの舞台を見に来ていたとマルソー自身が語っているようにマイケル・ジャクソンは、マルソーの重力を無視したような動きをヒントにして「ムーンウォーク」のステップを生み出したと語っている。M・ジャクソンの「ムーンウォーク」は、ニューヨークのハーレムで生まれたストリートダンスが起源とするのが定説だが、少年期からマルソーのパントマイムに親しんできたジャクソン本人が言う、「マルソーの動きをヒントにした」というのが正解だろう。