「クジラを殺すな」と日本の調査捕鯨船への過激な妨害活動を続けてきた反捕鯨団体「シー・シェパード」創設者、ポール・ワトソン容疑者(74)⬆️が、デンマーク自治領グリーンランドで今年7月に拘束された。海上保安庁が国際指名手配していたワトソン容疑者の「身柄引き渡し」を半年にわたって日本政府はデンマーク政府に要求してきたが、その要求は聞き入れられず12月にワトソン容疑者は保釈され自由の身となった。その背景には、ワトソン容疑者の居住地であるフランスのマクロン大統領が、日本への引き渡しに反対の考えを示し、「デンマーク側に働き掛ける」との声明を発表。ワトソン容疑者も仏国籍取得や政治亡命を申請し日本への移送回避を画策したからだ。勾留したデンマーク政府も、ワトソン容疑者が高齢であることや容疑の対象行為が14年前と古いことなどを理由に日本への「身柄引き渡し」を渋っていた結果、とうとうワトソン容疑者を保釈する決定を下したのだ。一旦は逮捕したのに保釈するというデンマーク政府の矛盾、ワトソン容疑者が逮捕されたグリーンランド自治領が先住民による捕鯨が盛んな地であるのに対し、本土のデンマーク政府は、「反捕鯨」の立場を取っているから、というのが、保釈の真相のようだ。