ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「あなたのセンターはどこ」モダンバレエの神様マーサ・グレアム。

1999年TIME誌が「今世紀最も重要な人物100人」の中で「20世紀を代表するダンサー」に選んだモダンバレエの創始者マーサ・グレアム⬆️。彼女の功績は単に優れたダンサーであっただけにとどまらずモダンダンスという分野を開拓し、広め、素晴らしい作品を振りつけ、多くのモダンダンスの踊り手を育てたことだろう。我が国のモダンダンスのパイオニアとして知られるアキコ・カンダもマーサの弟子だった。彼女は、ニューヨークでマーサ・グレアムに師事していた頃、「あなたのセンターはどこにありますか?」とよく尋ねられ、体の中心点からすべての動きが始まっているという感覚を叩き込まれたという。マーサ・グレアムのモダンダンスは、優雅な動きを装飾的に見せるクラシック・バレエとは違い、人間的感情や経験を表現することを目的としており、観客に本能的な反応を引き起こすことを意図していた。彼女のダンスの多くは、ダンサーの骨盤を中心とした筋肉の収縮と弛緩の繰り返しから生じる力強い動きを特徴とし、その結果生まれたダンスのスタイルは、ギザギザで角張った線、そして激しく感じられる人間の感情を表現する体のズレや歪みによって、それまでのクラシックバレエとはまったく異なる動きの表現となったのだ。彼女のテクニックは、モダンダンスの分野全体の中でも最も高度な身体トレーニング法が必要とされる。ダンスは「センター(体の中心点)からすべての動きが始まる」というマーサ・グレアムの「教え」は現代のダンサーに今なおしっかりと受け継がれている。