パワハラ疑惑などが文書で告発された問題で、兵庫県議会から全会一致で不信任案決議を受け失職した斎藤元彦氏県知事が、出直し県知事選に再び立候補、111万3911票を獲得し兵庫県知事に返り咲いた。この奇跡のムーブメントはなぜ起きたのか。それは、TVや新聞などの大手メディア=世論という時代が終わったことを意味している。今回、兵庫県民が大手メディアへの不信感を募らせる中で情報の主役に躍り出たのがSNSだ。斎藤氏のXのフォロワー数は、疑惑が表面化した3月時点は3万程度だったのが、9月に失職・出直し選挙への出馬を表明した記者会見後には7万近くに倍増。選挙戦最終日には18万超となった。選挙期間中も、斎藤氏の街頭演説をスタッフが配信したり、有権者と握手する姿をスマホで撮影し演説の1時間後にはSNS上に次々と投稿されていた。こうしたきめ細かなSNS戦略が功を奏し、斎藤知事が失職する直前の9月28日の75,000のフォロワー数が、知事に復帰した11月18日時点で219,000と約3倍のフォロワー数を記録したのだ⬆️。大手メディアの報道を信じるのではなく、自分が直接目にし、耳にした情報を信じる、斎藤知事「再選」は、「情報の時代」が大きく動いたことを示していると思われる。