ファーストフードの人気店マクドナルドは、米国カリフォルニア州サンバーナーディノでマクドナルド兄弟(⬆️上左の2人)が1940年に開店したお店だ。「スピード・サービス・システム」の売り文句と、工場式のハンバーガー製造方法、そしてセルフサービスの仕組みにより、1948年頃から人気店となった。人気店となって6年後の1954年、ミルクシェイク用ミキサーの営業員レイ・クロック (⬆️上右)が偶然マクドナルド兄弟の店舗を訪れ、お店のシステムをフランチャイズ形式にして販売する商売を始めてはどうか、と勧めた。マクドナルド兄弟は、この提案に消極的だったが、クロックが交渉を粘った末に「兄弟は自分達の店以外は干渉しない」「クロックは兄弟の店には干渉しない」「マクドナルドという名とシステムは、クロックが事業に使う」で合意し、兄弟が要求した契約金はかなり高かったものの、クロックはたくみに契約を交わした。マクドナルド兄弟側にとっては、これが悲劇の始まりだった。兄弟で所有していた「マクドナルド」ブランドを、赤の他人のクロックが使えるようにしたことで、最終的にはマクドナルド兄弟の店(つまり本店中の本店)の周辺にまでクロック側のマクドナルド店舗が進出、侵略してきて、売上をうばわれ、結局、兄弟は自分たちのマクドナルド店をクロックのせいで閉店せざるを得なくしてしまった。事実上クロックにマクドナルドを乗っ取られてしまった兄弟は、自分たちの財産を築くことは、一生涯出来なかったという。