全階級を通じて世界最高級のボクサーとして認められている井上尚弥が9月3日、東京・有明アリーナで元世界王者のテレンス・ジョン・ドヘニー（アイルランド）を迎え撃つ。スーパーバンタム級４冠王者の井上が絶対優位という予想が圧倒的だが、ここまで3連続KO勝ちを続けているドヘニーもパワーと経験を兼備しており、侮れないハードパンチャーだ。しかも、ドヘニーは、前日計量後から試合当日までに12キロ程度まで体重を増やしてパワーアップを図り耐久性の効果も上げて試合に臨んでくるのが常套手段のボクサーだ。ドヘニーが体重を12キロもアップすれば、井上選手は、３階級上のライト級（61.235Kgリミット）の選手と戦うことになる。井上選手は、ドヘニーがリバウンドで大きくなることを想定し「その分、動きも鈍るし、ボディも効きやすくなる」と急激な体重増加についてはまったく意に介していない。ドヘニーは、「敵地でアンダードッグ（かませ犬）として試合をするのはいつものことだ。自分を信じること。どんなときでも自分を出すために自分を信じるだけだ。今回は、4団体のタイトルがかかり、これ以上のタイトルマッチはない。このために100％やれることをやってきた」と自信のほどを覗かせる。しかし、試合が進むに連れドヘニーの左ガードが下がりがちになる弱点を素早く見抜いた井上選手が、右ストレートか右アッパーを打ち込んで早いラウンドでのKO決着が予想される。
