パリ五輪のフェンシング、男子フルーレ団体で金メダルに輝くなど、今大会で獲得したメダルはエペ、サーブルを含む全3種目で個人1、団体4の計5個。北京・ロンドン・東京大会までの日本フェンシングの総獲得メダル数が3だったのにパリ大会で一気にメダルを5個獲得⬆、この驚異的な躍進ぶりはなぜなのだろうか。大きな理由の一つに、5年前の2019年から国立ナショナルトレーニングセンター内に30面のピスト(コート)を完備したことだ。その前の2000年代までは、市民体育館などを利用し、4面しかピストを確保できなかったり時には廊下に設置して練習を行い、音がうるさいと苦情を言われるような状態だった。30面のピスト(コート)を使えるようになりフルーレ・エペ・サーブルの種目ごとに別々の場所でやっていた練習が、一堂に会したことで選手同士が互いに刺激しあい切磋琢磨した効果は大きいいという。さらに、フェンシング強豪国ウクライナやフランスからの優秀なコーチ招聘も大きな効果をもたらした。今大会での外国人コーチは3種目で計4人。彼らのお陰で世界トップクラスと戦える環境作りができるようになり、選手たちも一昔前のように強豪国選手と対戦しても気後れすることなく、力を十分に発揮できるようになった。選手達からも「フェンシング強豪国出身のコーチは、自分たちに自信を植え付けてくれた」とその効果を口にしている。練習施設の充実と外国人の優秀なコーチ陣による目を見張る成果、メダルが取れない他の競技種目でもこの方式を見習ってはどうだろう。