パリオリンピック男子ゴルフで松山英樹が銅メダルを獲得した⬆。オリンピックゴルフで日本男子のメダルは史上初の快挙だ。世界ランキング上位者がスコアを伸ばし優勝争いを繰り広げた最終日、松山は、彼らしい安定感と高いレベルの攻めで日本ゴルフ界に新たな歴史の一頁を刻んだ。その松山が、パリ五輪出場を決めたのは、実は、試合の1ヶ月前の6月末だった。その理由について「個人的にもパリに行ったことがないので…というのはありましたけど、若手が頑張ってワールドランキング50位以内に入ってくれれば、僕は出なくてもいいかなと思っていた」と後輩たちへの期待があったからだ。だが、自身を脅かすような若手が現れなかったため「出なきゃいけないな」と葛藤の末に松山選手は出場を決心したという。さらに、松山選手が五輪出場をためらっていた理由は、日本ゴルフ協会(JGA)のサポート体制に疑問を感じていたからだった。現地コースについての情報や練習環境、宿泊、食事についてなど、知りたいデータの十分な情報提供が無かったからだ。「いちプロゴルファーとしてやっていると、五輪がどういう感じなのか良く分からない。もうちょっとサポート体制をしっかりしてもらえたら、すんなりと行きたいと言えたんですけどね…」。それでも出場を決めてからわずか1ヶ月後、松山は、日本のゴルフ界の歴史に新たな一頁を、見事に刻んでみせたのだ。