今や、MLBのスーパースターとなった大谷翔平選手、その彼が、プロ野球日本ハムファイターズに入団した1年目のオフに、筑波大の助教授で野球部監督の川村氏を突然訪ねた⬆。川村助教授がいろんな野球の動作解析や研究をしているという情報を知った19歳の大谷選手。普通のプロ野球選手が大学の研究者に直接聞きに行くという行動をとらないなか、直接学びを掴みに来た選手は、大谷選手が初めてだったという。大谷選手は川村助教授から投げる・打つ2刀流に必要な体の使い方を学び、野球選手としての体作りは、ピークとされる20代後半に照準を合わせ、逆算しながら、必要な筋肉を過不足なく付けていくことをアドバイスされる。こうしたアドバイスを忠実に守りながら、大谷選手は投・打に必要な筋肉をトレーニングによって徐々に付けていったのだ。そして、MLBで外国人選手に負けない筋力を付けた大谷選手の「マッチョ化」した姿で登場したのを見て、日本プロ野球界のご意見番として知られた張本勲氏が「あんな体を作ってはダメ、ケガが非常に多くなる。上半身ばっかり鍛えてもダメ」とマッチョ化を断罪したが、その批判が的外れだったことはその後の彼の活躍ぶりを見れば良く分かる。学術理論に裏付けられた「筋肉の強化」、19歳にして、その事に気づいた大谷翔平は、成る可くしてMLBのスーパースターになったのだ。