複数のビタミンが配合されているマルチビタミンは人気のサプリメントだ。米国では成人の3分の1の人が摂取しているという。毎日マルチビタミン剤を摂取していれば健康な体を果たして維持し続けられるものなのだろうか。こうした疑問に応えて、「米国立がん研究所」が、約39万人の成人のデータを20年以上にわたって追跡調査した結果を公表した。被験者の年齢の中央値は61.5歳で、慢性疾患の既往歴がなく、おおむね健康な人たちがこの追跡研究に参加したという。分析の結果、マルチビタミンを毎日摂取しても、摂取しなかった人に比べて、あらゆる原因による死亡リスクは低下しないことが明らかになった。研究では、がん、心臓病、脳血管疾患(脳卒中など)など、特定の死亡原因も調査したが、マルチビタミンを摂取した人と摂取しなかった人の間で、これらの疾患の発症率に明らかな差は見られず、簡単に言えば、マルチビタミンを毎日摂取しても、寿命が延びたり、これらの重大な疾患を回避したりすることはなかったという⬆。「米国立がん研究所」の調査チームは、これらの結果から、健康な成人は死亡率の軽減のためにマルチビタミンに頼る必要はなく、代わりに、バランスの取れた食事、定期的な運動、その他の健康的なライフスタイルの選択に重点を置くことが、長期的な健康と幸福を促進するのに効果的だと、アドバイスしている。健康な体を維持するためには、余計なモノを摂らないのが一番のようだ(笑)