ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

日本人がよくやる「ダメ出し」、欧米人は決してやらない。

ミュージカル俳優の井上芳雄さん⬆が、ライフスタイルサイト「NKKEY  STYLE」に書いた面白い過去記事を見つけた。英国のジョン・ケアードが演出するミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語-』に出演した際に、海外と日本の演出家とでは、俳優への接し方がずいぶん異なり、演劇文化の違いを感じたという。日本で演出家というと、俳優に対してここがダメだあそこがダメだ、だからこうしなさい、と厳しく指導する先生のようなイメージがあり、演劇用語でいうところの「ダメ出し」を、日本では俳優もスタッフも当たり前のこととして受け入れている。ところが、海外の演出家はそういう言い方はせず、ダメ出しの代わりに、ノート(note=提案)と言い、指導するのではなく、俳優自身に演技について考えさせようと仕向けるのだという。井上さんは、お芝居のことをよく知らないままデビューして、ダメ出しされたら、それが当然のことだと思っていたのに、それとは違うやり方があることを知って驚き、しかもできた舞台が素晴らしいことに感動したと言う。さらに、「俳優って、初めての役をやるときは、怖くて不安なものです。そこで、いきなり否定されるとつらいし、落ち込みます。欧米の演出家達はそこを分かってくれていて、役者はプレッシャーの多い職業だから、守られるべきだ、と言います。だから、否定したりはしないんだと、僕の場合は、海外の演出家のホメて伸ばすやり方のほうがしっくりきます」と語っている。