アジア人初となる4団体王座統一を達成した井上直哉選手が、バンタム級を卒業し1階級上のスーパーバンタム級で戦うことを宣言した。階級が上がれば、これまで以上のパワーや耐久力が要求されるため、これまでのように井上選手が相手を一撃で倒すシーンが減ってくる可能性がある。しかし、階級を上げても井上選手のパンチ力はバンタム級で見せたKO率90%とほぼ変わらず通用するだろうと言われている。昨年9月のロサンゼルス合宿でスパーリングパートナーを務めたWBC世界フェザー級17位のアダム・ロペス(米国)は、井上選手の2階級上の大柄な選手⬆だが、井上選手と拳を交わして感じたのは「イノウエは単純に相手を殴り倒すだけの選手ではない。僕なんかよりも(体格は)小さいかもしれないけど、凄まじい爆発力があるんだよ。イノウエはマニー・パッキャオと同じクラス(井上の4階級上のウェルター級)のふくらはぎの持ち主なんだ。とにかく脚が太いのさ。だからあれだけの爆発力がありながら、正確なパンチが打ち込める」と証言している。強い相手を次々にノックアウトできる「破壊力」は体のどの部分から生み出されるのか、という質問に、井上選手はこう答えている。「やっぱり下半身だと思います。お尻がデカイとよく言われます。肩周り、広背筋のあたりも意識するところです。計量のときに自分の体を見ると腹斜筋が目立ちますね。マニー・パッキャオも腹斜筋がすごいじゃないですか。そう考えると強いパンチを打つことと腹斜筋は関係があるのかもしれません」。世界8階級制覇のボクシング界のキング、マニー・パッキャオと同じ箇所の筋肉が発達したモンスターイノウエ、スーパーバンタム級でも強烈なノックアウトで世界王座を獲得するのは間違い無いだろう。