JAZZの名曲と言えば、時代を超えて今も愛され続けているグレンミラーの「In The Mood」だろう。アメリカのオールディズの映画シーンで頻繁に使われ、日本でもCMでよく使われている。ダンスミュージックにぴったりの開放的で陽気なスイングリズムに華やかな吹奏楽のコール&レスポンスそしてスピード感にあふれる名曲だ。しかし、この曲がヒットする9年前1930年にトランペット奏者のウィンギー・マノン(⬆上写真左)が作曲した 「Tar Paper Stomp」のフレーズがグレン・ミラーの「In The Mood」と実にそっくりなのだ。マノンは、ニューオーリンズ スタイルのトランペット奏者で心地よいホットな演奏が魅力で初期のベニー・グッドマンのレコード演奏に度々参加していた。アメリカの公共放送NPRは、マノン作曲の「Tar Paper Stomp」を「20世紀アメリカの最も重要な100曲」に選んでいるほど有名な曲だ。YouTubeでこのマノン作曲の「Tar Paper Stomp」を聞いてみると、なるほどグレン・ミラーの「In The Mood」にそっくりだと納得させられる。「In The Mood」が、グレン・ミラー楽団によって大ヒットしたあと、グレン・ミラーとそのレコード会社から、著作権について争わないという条件のもとウィンギー・マノンに「In The Mood」に「Tar Paper Stomp」のベースを使用したことの「解決金」が支払われている。あなたもYouTubeで、グレン・ミラーの「In The Mood」とマノン作曲の「Tar Paper Stomp」をぜひ聴き比べてみてはいかが。