ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

差別しないイギリス、スナク新首相の両親は植民地出身。

英国初のアジア系首相となったリシ・スナク氏(⬆上写真右)。かつてのイギリスの植民地ケニア生まれのインド系移民の父親(⬆中央)とタンザニア生まれのインド系移民の母親(⬆左)との間に生まれたスナク氏は、超名門男子校のウィンチェスター校からオックスフォード大、米スタンフォード大院へと進み経営学修士(MBA)を取得。金融大手ゴールドマン・サックスやヘッジファンドを経て2015年に下院に当選、39歳でジョンソン政権の財務相となり、新型コロナウイルス対策で賃金の8割を国が助成し労働者の雇用を確保する画期的な休業補償制度を導入し、国民の支持を一気に高めたまだ42歳のエリート政治家だ。2012 年のロンドンオリンピック開会式で、ジョンソン・ロンドン市長が、イギリスの「多文化主義」と文化的多様性は自国の大きな強みであるとして「the world in one city」(世界が集う都市)と誇らしげに語ったように、英国はアメリカや他のEU諸国に比べて人種差別をしない国だ。西暦2000年を記念してイギリスで発行された記念切手にイギリスを代表するロック歌手としてフレディ・マーキュリーが採用されたが、彼もまたスナク新首相と同じインド人の両親を持ちイギリスへ来る前、17歳までインドで育った生粋のインド人だった。肌の色が違う異国人を「心地良くさせること(feelgoodfactor)」を大切にする英国人、それは「文化的多様性」を受け入れるジェントルマンの国の「自尊心」の上に築かれたものに他ならない。翻って、我が国で、かつての植民地(朝鮮)出身の2世が日本の首相になるなんて、まるで考えられない(笑)