ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

113年前の「オペラ座の怪人」、ホントウに居たのか。

1874年に完成したパリのオペラ座は、2167の座席が5つのフロアに配分された当時では収容規模として世界最大の劇場だった。その巨大な空間に怪人が住んでいても見つけるのは難しいと思えるほどの広さがあるオペラ座。地下にはローマ時代の採石場跡があり、そこに地下水が流れ込み巨大な地底湖ができていた。オペラ座が完成した22年後の1896 年には屋根中央に吊り下げられた重さ7トンのブロンズクリスタルのシャンデリアが突然天井を突き破って落下し数人が負傷するという怪奇めいた事故が起きた。パリの新聞社ル・マタンの記者ガストン・ルルー(⬆上写真左)はこの事故について知ると、オペラ座の地下にある広大な地底湖、建築経過などを詳しく取材、なお且つオペラ座の関係者の間で実際にささやかれていた幽霊話や「得体の知れない怪人が潜んでいるのではないか」という噂に着想して、ミステリー作家を目指していたルルーは、虚構と現実が入り交じったミステリアスな怪奇ロマンとして「オペラ座の怪人」を書き上げた。主人公の怪人=ファントムについて、作者のルルーは、「顔が変形した男がオペラハウスの地底湖に住んでいて、あらゆる種類の犯罪を犯していた 、というウワサが怪人ファントムのキャラクターの元になった」と述べている。物語に出てくる地底湖やシャンデリア落下事件は事実に基づいている本当の話だが、主人公である「怪人」は、噂の人物を元に作者ルルーが脚色したものだった。