ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

映画「気狂いピエロ」は自分?反逆の監督ゴダール の自殺。

独創的なカメラワークや大胆な編集技法によって映像表現の世界に革命をもたらし、60年代フランス映画の「ヌーベルバーグ」(新しい波)の中心的存在だったジャンリュック・ゴダール監督⬆が、91歳でスイスで認められている自殺幇助によって自らの命を絶った。1967年、ゴダールはアメリカ映画が世界を席巻し君臨することを強く批判し、自ら商業映画との決別宣言を発表、さらに68年、トリュフォー監督らと「カンヌ映画祭」に乗り込んで開催を中止に追い込んだりと映画界の反逆児として知られた。ゴダール映画を代表する作品と言えば1965年制作の『気狂いピエロ』だ。主人公は「ピエロ」と呼ばれる男。昔の愛人と出会って一夜を過ごすが、翌朝見知らぬ男の死体を見つけ、彼女と共にギャングに追われる逃避行を余儀なくされる。やがて、女は逃避行にイヤ気が差しギャングに通じて男を裏切る。怒った男は女を銃殺し、自分の顔にペンキを塗り、さらにはダイナマイトまで顔に巻きつけ、死ぬつもりで火を点ける。我に返った男は火を消そうとするが間に合わずに爆死する。カメラは地中海を映し、アルチュール・ランボーの詩「永遠」が朗読される。Elle est retrouvée. Quoi ?  L'éternité. C'est la mer allé eAvec le soleil.(見つかった、何が?永遠が、海が太陽にとけこむ)。ハリウッド映画と戦った男、ジャンリュック・ゴダールは、自ら命を断ったことで「永遠」と出会えただろうか、アーメン(その通り)。