ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

中国で1房180円、日本から盗んだシャインマスカットの末路。

ブドウ界のエルメスと呼ばれる日本で開発されたぶどう品種「シャインマスカット」。甘みや食べやすさを追求し、なんと33年もかけて開発された品種であるシャインマスカット。これを中国は、2016年頃に日本から苗木を無断で持ち出しシャインマスカットの栽培を開始、現在では栽培面積だけでも日本の40倍以上と、日本をはるかに凌ぐ規模と生産量を誇っている。さらには日本に無断で作られたシャインマスカットが、中国から海外へと輸出される事態にも発展、我が国の農林水産省は年間100億円以上の損失が出ていると試算している。シャインマスカットの原産国である日本では、1房(約500g)が2,000〜3,000円、ギフト用のシャインマスカットは10,000円にもなるが、中国で当初は小売価格が1房あたり300元(600円)だったものが栽培地面積が80万苗以上に達した現在では、生産量が飛躍的に増加しシャインマスカットはもはや高額なフルーツではなくなっている。1房10元(200円)以下(⬆上写真8.98元=180円)にまで下落し、高級フルーツから庶民派フルーツへと成り下がってしまっている。無計画にシャインマスカットの生産を増大させ価格破壊を招いた中国、生産量を管理して高級品としての価格を維持する日本の農家。苗木を盗むズル賢さで中国が勝っても、本当の賢さでは日本が上だったように思われる。