ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「毒を食らわば皿まで」滝沢馬琴が笑うぞ、不正受給返金2万人。

新型コロナ禍で打撃を受けた中小企業や個人事業主らを早期救済するための「持続化給付金」で、不正受給した人物が続々と逮捕されている。中小企業庁によると、これまで約424万件の申請に対して約5・5兆円が支給されたが、5月末時点での不正認定は、個人と法人の1218件で、総額は約12億2600万円に上るという。中小企業庁は不正申請者が自ら返金を申し出た場合は刑事告訴などは求めない姿勢で、これまで2万件超の返金申し出があり、すでに1万5427件(約166億円)の返金を受け付けたという。江戸時代の滝沢馬琴⬆が様々な悪人を登場させた小説「南総里見八犬伝」の中に、「世の諺を引くにあらねど、毒を喰はゞ皿を舐れ(舐めろ)」という名文句がある。一度悪事に手を染めてしまったのだから、どこまでもそれに徹せよというこの悪党哲学、どうやら2万人もの 現代の「小悪党」は、せっかく「持続化給付金」の不正受給という悪事に手を染めたのに司直の手が伸びるのを恐れてだまし取ったお金を返還してしまい、本物の悪党にはなれなかった。こういう「中途半端な悪事を働いた2万人」を、失明してもなを口実筆記で長編小説「南総里見八犬伝」を完結させた滝沢馬琴が、「毒を食らって皿まで舐めなかった」のを見たら、きっと嘲ったに違いない。