双子の中でも1つの受精卵が分裂して生まれる一卵性双生児は基本的に同じ遺伝情報を持っており、性別や血液型が一致するだけでなく、身体能力や学力なども類似性が高いといわれている。そんな一卵性双生児でありながらわずか2歳の頃に生き別れ「韓国」と「アメリカ」というまったく異なる国で別々の家族により育てられた女性の双子(⬆ユンサンヒとユンサンエ)について、環境や家族によってどれほどの違いが生じたのかを調べた研究結果が発表された。カリフォルニア州立大学の双生児研究センターのナンシー・シーガル教授は、双子それぞれの家族環境、病歴、IQテスト、および非言語的推論のテストを行い、異なる文化的背景で育てられて生じた双子の「差異」について明らかにした。韓国で育った子供は、より暖かく、よりまとまりのある家庭的な雰囲気の中で育てられたが、対照的に、アメリカで育てられた子供は、厳格で宗教的な環境に住んでおり、家族間の対立のレベルが高い環境で育った。また、韓国の家庭で育てられた子供は、推論能力と処理速度でより高いスコアを獲得した。これらの双子のIQスコアの差は最大16ポイントであり、一般的な双子の約7ポイントの数値と比較して非常に高いレベルでの差が出た。育った文化的環境の面でも、米国で育った子供はより個人的な価値観を持ち、韓国で育った子供は、より集団的な価値観を持っていた。韓国で育った子供は上級公務員になり、アメリカで育った子供はシェフをしていて、2人とも現在の仕事と生活に「満足している」と答えている。