ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

9.11を間近で体感したソニー・ロリンズ、JAZZでどう表現した。

アメリカ合衆国の歴史上で過去に例を見ない9.11同時多発テロ事件、モダンジャズの世界で「テナーの巨人」と称されるソニー・ロリンズ(71)は、崩れ落ちた世界貿易センターからわずか6ブロック先の自宅で、この惨劇を目撃した。ジャンボ機がビルに「体当たり」した衝撃を肌で感じ,2つのビルの崩壊を目の当たりにしながら現場から避難した。ロリンズは精神的に大きなショックを受けたが、妻の支えもあって大惨事から4日後のボストン公演をキャンセルせずに敢行したのだ。それが『ウィザウト・ア・ソング (9.11コンサート)』⬆だ。未曾有の惨劇からわずか4日後,誰も平常心ではいられない状況下にあって、ソニー・ロリンズは「平常心」でこのコンサートに臨んでいる。テナーの巨人の別次元と思えるアドリブに、傷心の観客の心が揺さぶられていく。心の痛みや絶望の気持ちが,いま生きている幸福,ジャズを楽しめる幸福,そして将来の希望に向けて歩き出す。全世界が窮地に陥った時に,これほどまでに明るく華やかな演奏をしてみせたソニー・ロリンズ71歳。彼の内側から湧き出てくるメロディー・ラインの生命力が素晴らしく、どこまでもいっても陽気で観客を元気づけるそのサウンドには テロの惨劇に負けない「不屈の力」を感じさせられる。このコンサートの録音はYouTubeで見ることが出来る、ぜひご覧あれ。