ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ノーベル賞作家川端康成72歳の自殺原因は、「せん妄」。

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50年前の1972年4月16日、日本人初のノーベル賞作家となった川端康成が、神奈川県逗子市のマンションで72歳の高齢でガス自殺した。遺書はなく、死ぬ4年前には作家として頂点を極めた感のあるノーベル文学賞を受賞していながらの突然の自殺、その理由はいまも謎とされている。川端は、自殺する丁度1年前の1971年4月に 東京都知事選挙に立候補した秦野章氏の応援のため街頭宣伝車に乗るなどの選挙戦に参加していた。その川端が、宿泊先のホテルで按摩を取っている時に突然と起き上がって扉を開け、「やあ、日蓮様ようこそ」と挨拶したり、風呂場で音がすると言いながら再び飛び出していって「おう、三島君(1年前に割腹自殺した三島由紀夫)、キミも応援に来てくれたか」と言い出したために、按摩は鳥肌が立ち早々と逃げ帰ったという逸話がある。その話を聞いた 作家で友人の今東光 氏も、都知事選最後の日に一緒に宣伝車に乗った際に、川端が「日蓮上人が僕の身体を心配してくれているんだよ」とにこにこ笑いながら言った、と語っている。自殺する1年前に現れていたこの奇妙な言動、精神科医によれば、高齢者に多く発症する一種の意識障害の「せん妄」ではないかと言う。「せん妄」は、認知症とは違い突然発症し、症状が時間とともに変化するのが特長だという。「せん妄」の明らかな原因は現代の医学で解明されていないが、高齢者特有の「虚弱な状態」に、何らかの身体的、心理的な引き金因子が加わることで起こると考えられている。72歳のノーベル賞作家を突然襲った「せん妄」が、川端の突然のガス自殺の引き金になったと見てほぼ間違いないだろう。