ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

桜吹雪、サクラはなぜ一斉に散ってしまうのだろうか

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「♬桜吹雪のサライの空は、哀しいほど 青く澄んで 胸が震えた〜」。満開の桜が終わり、桜吹雪が舞う季節。一斉に散るサクラの花の風情に感動するのは日本人に「滅びの美学」があるからだとされる。花びらがいっせいに散って風に舞う「桜吹雪」や、お濠や池の水面を桜の花びらが埋め尽くす「花筏(はないかだ)」などソメイヨシノが一斉に散る風情は、俳句の季語にもなっている。日本文学の研究者ドナルド・キーンは「日本人は滅び・はかなさが美の本質をなすと考える民族である」と分析した。日本のサクラの8割以上を占めるソメイヨシノは、なぜ散るときには一斉に散ってしまうのだろうか。ソメイヨシノは、江戸時代の中期頃に、エドヒガン系の桜とオオシマザクラを交配して誕生した桜だ。そして、同じ性質を受け継がせるために、クローンの接ぎ木で増やして、あっという間に全国に広がった花だという。クローンは、遺伝的に同じ性質を持つ生物集団を意味し、ソメイヨシノは、クローン桜のため、同じ性質を引き継いでいることで周囲の環境が整えば、一斉に咲いて一斉に散るという性質があるのだという。これが日本の桜の特徴として認識されたため「一斉に散る」姿が、滅びやはかなさを連想させ、日本人の美意識の原点になったというわけだ。「桜花 何が不足で ちりいそぐ」小林一茶。