ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「死んだ人をバラして、なんで給料を貰えるんだろう」養老先生の実感。

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コロナ禍でクローズアップされた「不要不急」というコトバについて東大医学部名誉教授で「バカの壁」の著者でもある養老孟司先生(84)⬆が語っている。「新型コロナウイルスの問題が生じ、まず印象に残った言葉は「不要不急」でした。私は80歳を超え、当然ですが公職はありません。この年齢の人なら、非常事態であろうがなかろうが家にこもってあまり外には出ません。出る必要もないし。今の私の人生自体が、思えば不要不急なのです」「この不要不急は、実は若い時から私の悩みの一つでした。大学の医学部に入って臨床医になれば、その問題はありません。医療がどれほど直接に役に立つか、コロナの状況を見ればわかります。医療崩壊といわれるほど病院の現場は大変で、不要不急どころの騒ぎではありません。医療は世界的に現代の社会的必要の最たるものです」「しかし、私がやっていた解剖は不要不急の典型なんです。急いでも急がなくても相手はもう死んでいるんですから。助手や教授として学校から給料をもらっている間も「死んだ人をバラして、なんで給料をもらっているんだろう」としみじみ思っていました。他のみなさんは社会に対して信頼を得ていると思って働いているわけですが、私にはそういう実感がなかったんです。改めて考えてみれば、自分は何の役に立っているだろうか、と 」。自らを不要不急の存在と自覚されてる養老先生、その視点から紡ぎ出される「珠玉の言葉」は、多くの人々にとって「必要なもの」であるに違いない。