ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ロールスロイス女神のエンブレム、貴族の愛人がモデルだった。

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世界の最高級車ロールスロイス、その風格を象徴するフライングレディ『女神のエンブレム』は(⬆上写真左)実はイギリス貴族の愛人をモデルにして作られたという意外な事実をご存知だろうか。1909年、スコットランド貴族で公爵のジョン・ダグラスが、自分が所有するロールス・ロイス・シルバーーゴーストの高性能にふさわしいエンブレムをボンネットの先端部分に装着したいと考え、友人の彫刻家にデザインを依頼した。彫刻家は依頼者ジョン・ダグラスの愛人だったエレノア・ヴェラスコ・ソーントン(⬆上写真右)をモデルに採用してギリシア神話に登場する勝利の女神「ニーケー」に似た女性のエンブレムを完成させたのだ。これが「スピリット・オブ・エクスタシー」と命名され、その後1911年ごろからロールス・ロイスの正式なエンブレムとして採用され「フライングレディ」の愛称で親しまれるようになったのだ。ところで、この時ジョン・ダグラスは36歳の既婚者で愛人のエレノアは22歳の独身。しかも、貴族と平民という身分の違いがある不倫関係、このあと2人に悲劇的な運命が訪れる。ダグラスがインドへの出張に、エレノアを誘い、ふたりが乗った客船がドイツ軍の砲撃によって撃沈されてしまったのだ。エレノアは溺死し、ダグラスは36時間漂流したあげく助けだされ1935年10月に癌によって死去している。世界最高級車ロールスロイスのエンブレムに秘められたイギリス貴族の悲劇の「不倫物語」。街中でロールスロイスを見かけたら誰かに語ってみたくなる薀蓄(うんちく)だ(笑)