ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

スティーブジョブス、少年時代に川瀬巴水のトリコになった。

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ITの傑作商品を次々と開発して世界を変えた鬼才スティーブ・ジョブズ。その死から、ことしで10年になる。彼が生み出した製品は、いま尚、美しく斬新なデザインで世界を魅了し続けている。ジョブズのこの美的センスの原点は、子どもの頃に見た川瀬巴水(はすい)の木版画だったとされる。彼が川瀬巴水の作品と最初に出会ったのは、彼がまだ10代の頃、親友ビルの自宅(⬆上写真左)。ビルの母親のバンビさんは「スティーブは居間を通るたびに、版画をじっと見ていました。そして、ある日、私に突然言ったんです。『版画を分けてほしい』と。『あいにく、父のコレクションを譲ることはできないわ』と断りましたが、その後も遊びに来るたびに、『版画を分けてくれ』と訴えるように私の目をじっと見るんですよ」と当時を振り返る。それから約10年、 若くしてアップルで巨万の富を築いたジョブスがビルの母親のバンビさんのもとを突然訪れ、「ここから2マイル離れたところで育った僕の家の壁には、カレンダーしかなかった。でも、あなたの家で日本の版画を見る機会に恵まれました」と感謝の言葉を述べ、川瀬巴水の木版画と画集をプレゼントした(⬆上写真右)。ジョブズが10代で出会った川瀬巴水の「版画」とコンピューター。その二つは無関係に見えるが、ジョブズは川瀬巴水の版画の「究極のシンプルさ」から受けたインスピレーションを、コンピューターで再現し、私たちの考え方、学び方、そして、暮らしを永遠に変えた。ジョブズにとって川瀬巴水は「美」の原点だったのだ。