ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

アフガンの英雄中村哲医師の壁画をタリバンが消し去った。

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医師としてアフガニスタンで医療支援活動をする傍ら、「医療支援だけでは難民を救えない」と30年以上の歳月を費やして不毛の砂漠地帯に総延長25kmを超える用水路を掘削し約10万人の難民が暮らしていけるインフラを整備したアフガンの英雄、中村 哲医師は、2019年12月4日に反政府勢力に銃撃され非業の死を遂げた。その中村哲氏の功績を讃えアフガニスタン首都カブール中心部のコンクリート塀に描かれた肖像画(⬆上写真左)が真っ白に塗りつぶされて消されてしまった。アフガン全土の支配を誇示したいタリバンが指示したとみられている。白いペンキで塗りつぶされた跡にはパシュトゥー語で「独立おめでとう」という文言が新たに書かれている(⬆上写真右)。生前、中村医師は「タリバンは訳が分からない狂信的集団のように言われますが、全然違う。恐怖政治も言論統制もしていない。田舎を基盤とする政権で、少なくとも農民・貧民層にはほとんど違和感はないようです。我々の活動についても、タリバンは圧力を加えるどころか、むしろ守ってくれる。例えば井戸を掘る際、現地で意図が通じない人がいると、タリバンが間に入って安全を確保してくれているんです」と語っていた。アフガニスタンに幸福な未来を建設しようとした中村哲医師、その肖像画を消去してしまったタリバン、今なお混迷が続くアフガニスタンの不幸な未来を暗示しているように思えてならない。