ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ストラディバリウス3億円の音色に、たった3千円の投げ銭。

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米紙ワシントン・ポストが2007年にグラミー賞受賞者の著名なヴァイオリニスト、ジョシュア・ベルの演奏を用いて「芸樹とは何か」を問う実験を行った。1月12日の朝のラッシュ時、地下鉄のにて、ベルは野球帽を被り、ストリートミュージシャンに扮し、愛用の350万ドル(3億5千万円)のストラディバリウスを演奏して実験を行った⬆。曲目も前日のコンサートと同じ曲目をそのまま演奏した。その様子を隠しカメラで撮影したところ、実験の約45分間でこの横を1097人が通過したものの、金を置いて行った客は28人、ちゃんと立ち止まって演奏を聞いたのは7人、この人物がベルだと気付いたのはたった1人だった。そして、ベルが客から得られた投げ銭は、わずか32.17ドル(3,200円)だった。この実験結果に、『ワシントン・ポスト』のコラムニストワインガルテンは、「ある芸術作品の質が高いとされる客観的基準が何かしらあるにせよ、芸術的な美しさを評価するときに、その背景にあるものが同時に関わってくる。背景を抜きにして通用する具体的な美の尺度は作れない」と結論づけた。つまりは、カジュアルな服装の名ヴァイオリニストがストリートで高価なヴァイオリンで演奏してみせた所で、多くの人々は「高価な金を払って聴く音色」とは判断しにくいという結論なのだ。ワシントン・ポストのコメントのように、芸術は「本質」的なことよりも「背景や外見」が重要だということが、この実験結果から十分に読み取れた(笑)