オリンピック陸上4×100mリレー決勝で金メダルを目指していた日本は、1走・多田修平が好スタートを切るも、2走・山縣亮太にバトンが届かない。 山縣の左手にバトンはわずかに触れたが(⬆上写真)、無情にもふたりのスプリンターは30mのテイク・オーバーゾーンを越えてしまい、金メダルの夢は儚く消えてしまった。バトンをつかみとることができなかった山縣は、「皆で話し合い、目標を達成するために攻めのバトンをやることになりました。これは勝負に行った結果だったと思います」と試合後に敗因を語ったが、「攻めのバトン」がミスした原因ではないだろう。多田と山縣の呼吸が合わなかった、つまり2人の呼吸を合わせる練習を怠ったのが 一番の原因ではなかったか。新型コロナウイルスの感染拡大で大会の中止や延期が相次いだこともあり、日本代表のリレーチームは実戦の機会がなかった。今季も7月前半の日本代表の男子短距離合宿でバトンパスを確認した程度。「2年近くリレーの試合に出ていない」と話していた日本代表の土江寛裕コーチが感じていた「練習不足」という不安が的中した格好だ。SNS上でも、「攻めたということは、ミスしたのは「攻めるバトンパス」自体の「練習不足」が原因だったのでは?という鋭い指摘があった。コンマ0秒のスピードを争うリレー競技、痛恨のミスは明らかに2人の呼吸を合わせる「練習不足」にあったと言えるだろう。