フランス政府が先月21日から全国の18歳の若者(約82万5000人)を対象にして、美術館や映画館のチケット、絵画・ダンス・音楽のレッスン、書籍や画材など様々な文化活動に使うための「文化体験クーポン(パス)」=300ユーロ(約4万円)相当を配布したところ、その大部分が日本の漫画本の購入に使われていた事が分かったという。フランスメディアのフィガロ紙によると、クーポンの利用額の8割以上が書籍で、そのほとんどが日本漫画で占められていたと言う。これはロックダウンで在宅時間が増えたことの影響も一部には考えられているものの、フランスにおける日本の漫画本の売上高が、2020年初頭と比較して、2021年の第1四半期に80%急増した点も併せて注目されているという。この日本漫画の爆発的な人気についてフランス国内の多くのマスメディアが取り上げ、中には「文化クーポン? それとも日本漫画クーポン?」と、フランス政府の「文化体験クーポン」を皮肉るようなタイトルで報じるメディアもあった。しかし、一般のフランス人からは非常に好意的な意見が多く聞かれ、「何が悪いのか分からない。マンガは日本の文化と強く結びついてる。フランスの文学は学校でも読めるわけだし、他国の文化に触れられるのは素敵な事だと思う!」と言った風に、日本漫画は小説や映画などと同じように、大人も楽しむ事が出来る「1つの文化」として多くのフランス人が受け入れている様子が伺える。