ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

エリック・カール作「はらぺこあおむし」、日本の技術で絵本に。

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日本の子供たちも大好きな仕掛け絵本『はらぺこあおむし』で知られる絵本作家のエリック・カールさんが、米国マサチューセッツ州にあるアトリエで腎不全のため91歳で亡くなった。カールさんの代表作『はらぺこあおむし』は1969年に出版され、70以上の言語に翻訳され、全世界で5500万部以上も売れた大ヒット絵本だ。カールさんは、なぜこの絵本が世界中で人気が​​集めたかについて自身の考察として「この本は希望の本なのだと思う。子供たちは希望が必要なのです。「あなた=取るに足らない小さなあおむし」が美しい蝶に成長し、才能を発揮して世界に飛び込むことができるんだと」いうサクセスストウーリイが感じられるからではないか、と語っていた。ところで、1969年に発行された『はらぺこあおむし』の初版本は、アメリカではなく日本で印刷されたのをご存知だろうか。仕掛け絵本『はらぺこあおむし』には異なるサイズのページが入っていたり、ページの真ん中に穴が空いていたり(⬆上写真)、その複雑な製本は当時のアメリカの印刷会社の製本技術では難しかったため、製本技術の高い日本で「はらぺこあおむし」の初版本が刷られたのだった。エリックさんの絵本が英語圏以外で最も多く翻訳されている国でもある日本、日本文化への造詣も深かった絵本作家エリック・カールさんのご冥福をお祈りしたい。