ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「不倫を経験するのは面白い」100歳寂聴さん55年前の体験告白。

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今年かぞえで100歳を迎える小説家瀬戸内寂聴さん。出家する前の今から55年前(⬆上写真左が当時の寂聴さん)が当時の人気作家井上光晴氏(⬆上写真右)との「不倫体験」について、100歳のいま回想して綴った文章が興味深い。「不倫も有髪(出家する前)の頃にあれこれ致しましたが、妻でない立場で、よその亭主と仲良くするくらいバカなことはないと、経験者としては、つくづく書き残しておくべきかと思っています。『自分の死ぬときは、たとえ締め切り最中でも必ず枕頭に来てくれ』と、しつこく言われてたので、まさに締め切りの真っ最中に、京都(寂庵)から、わざわざ東京(井上邸)まで出かけたのに、いまわの際になって、本人の目の探しもとめたのは、長い間連れ添った正式の女房だけでありました。ま、それが当然というものでしょう。不倫などは、いっぺんくらい経験するのも面白いかもしれないけれど、こう流行ってしまっては、するのがバカみたいだから、しないに限ります」。寂聴さんは51歳の年に「出家」することで井上光晴氏との不倫関係を精算したのだが、それから半世紀を過ぎて「よその亭主と仲良くするくらいバカなことはない」と経験者として書き残しておきたいと述べている。芭蕉の俳句に「 おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」という句があるが、あれほど鵜飼をおもしろがっていた心が、終わってみれば悲しく切ない思いへと変わってゆく様は「不倫」とどこか似ていると思いませんか(笑)